約 842,184 件
https://w.atwiki.jp/unkotinkonyan/pages/93.html
自然界に生きる獣にとって、相手の実力を見計る能力は、そこで生き残るために不可欠のものである。互いの魂を奪い合うミラーモンスターたちにとっても、それは同じことだった。 弱肉強食のミラーワールドに生きてきたゼブラスカル・ブロンズにとって、先程の突き、蹴りの体験をもって、シェイドの実力の全てを見切きることは容易であった。 「大したことはない」「獲物だ」 獣はそう思った。 充分な余力をもって立ち上がったゼブラスカルは、再びシェイドへ爪先を向け、一歩目を踏み出した。 そこで、ゼブラスカルはある違和感を抱いた。踏み出したはずの右足に、地面を踏む感触がない。 正面に見据えていたはずのシェイドの実像が、ぐにゃりと歪み、さかさまになった。 己が再びダウンを喫したことに気付いたのは、シェイドの追い討ちの足刀が、自らの喉元に突き刺さってからだった。 ミラーモンスターとて、頭部が全身の司令塔であり、弱点であることに変わりはないらしい。頭部だけに的を絞ったシェイドの四連撃は、ゼブラスカルに深刻な打撃を与えていた。獣同士の戦いでは決して受けることのない、未知なるダメージに、ゼブラスカルはただ慄然として、自らの身体へ逃走を命じた。 だが、脚がもつれる。 即座に、シェイドがぴったりと背に張り付き、後ろからチョークスリーパーに捉える。 その様子をじっと眺めていたのは、ビルの頂上から下界を見下ろす、仮面ライダードラクル。 「ウフフフ……ライダーめーっけ! ……なんかあたし、この台詞言うの三回目くらいな気がするんだけど……」 ちょうどそのとき。街を見守るようにたたずむ時計塔が、ごぉん、ごぉんと厳かな鐘の音を鳴らした。 「もう五時か。さっきの追っかけっこに手間取っちゃったな」 ライダーがミラーワールドで活動できる時間は、九分五十五秒。今、ドラクルに残されている時間は、およそ六分ほどである。 ドラクルは、Vバックルから一枚のカードを引き、髑髏に絡みつく蛭を模した召喚機に装填した。 "ソードベント" 細く長い、黒塗りの剣がドラクルの手に出現する。いや、よく見れば黒いのではない。暗くて濃い、精彩を欠いた赤が、黒よりもどす黒く、テラテラと気味の悪い光沢を反射させているのだ。 ドラクルはその赤黒い剣を構えると、ビルから転落するぎりぎりまで後ろに下がった。 全速力で前へ駆け出す。なんの躊躇もなかった。 助走による勢いに背を押されながら、15階建てビルの頂上から、中空へ。 揃えた両足を上に。頭を下向きに。両手にブラッドセイバーを抱えて。 真っ逆さまに墜落しながら、ドラクルは全身に受ける加速を楽しんでいた。ゾクゾクという震えが、背筋から首筋へと駆け上がる。 狙いは、こちらの存在に気付いてすらいない、仮面ライダーシェイド。 その無防備に晒されたそっ首。 「バトルスタートぉ♪」 13×13 riders ep.6 「シェイドvsドラクル」 加速する空間の中で、ドラクルは確かに見た。 ドラクルのブラッドセイバーが、真上からシェイドの首筋を捉えるであろう、その数瞬前。 シェイドが真上を見上げた。 ドラクルとシェイドの、お互いの視線が重なる。 数字にすれば、零コンマに満たない僅かの時間。ドラクルは、己の心臓がドクンと跳ね上がる感触を、永遠とも思える間、繰り返し味わった。 シェイドは掴んでいたゼブラスカルを前に差し出し、上半身を後ろに大きく反らす。 「かわされ――――」 一撃で終わるものと思っていた。 一撃で相手を仕留め、その相手の身体をクッションのように利用して衝撃を逃がす。当然、脚には大きな負担がかかるのは間違いないが、標的を倒してさえいればさほど問題はないというのがドラクルの考えだった。 だが、現実としてドラクルの刃は標的を外れ、ゼブラスカルを頭から二枚におろした。ゼブラスカルの内に秘められていたエネルギーが、激しい爆炎となって飛散する。 ドラクルは空中で猫のように宙返りをして、脚から地面に着地。両足がアスファルトに沈み、衝撃がクレーターとなって周囲に広がる。同時に強い振動が、痛みをともなって、脚から全身にかけて這い上がる。寄る辺を失ったゼブラスカルのコアが、宙を彷徨っているが、今はそれどころではない。 痺れが全身を縛るようだった。とても、しばらくはまともに動けそうにない。手を持ち上げ、ガードを固めることさえできない。 まったくの無防備に晒されたドラクルの腹部に、全力を込めたシェイドの前蹴りが突き刺さる。ドラクルは大きく後ろに跳ね飛ばされた。 身体が動かない。ドラクルに今できそうなことは、考えることだけ。 ――スピード。破壊力。タイミング。 ――いずれもこれ以上ないという攻撃を、真上の死角から不意打ちで仕掛けた……のに。 「お前、ライダーか」 シェイドがドラクルの全身を眺め、そう言った。「一歩間違えれば死んでいたかもしれない」というような、恐れの感情はまったく含まれていない。そんな声色だった。 ――なんで避けられたんだろ? 先程見せたシェイドの回避は、種も仕掛けもない。刃物のように研ぎ澄まされた聴覚、あるいは直感。それだけによるものだった。 風を切るブラッドセイバーの音が、ライダーの超感覚以上に、いち早く人間、真崎陣の身体へ命令を伝えた。 日常的に修羅場をくぐり、いつも死を意識している人間が、過酷なミラーワールドの闘争に投げ出されたことで、普通の人間が一生涯たどり着けない境地まで、この男を連れて行った。貧弱な装備と薄い装甲で、屈強なモンスターを相手に、今日まで生きてきた。頼りになるのは、己の感性と判断力のみ。ライダーとして与えられた能力がひ弱だったことが、かえって真崎の感覚を進化させたのだ。 ――最高の機を逸して、ノータイムで反撃をもらった…… ――こっちは身体がビリビリ痺れてまともに動けないし、そして今の蹴り……コイツ相手に肉弾勝負を挑んで、勝ち目は…… ようやく動かせるようになった脚を引きずって、ドラクルは距離をとった。シェイドも深追いしてこない。 ――ある!! 前蹴りをノーガードでまともに受けたのに、身体にまったくダメージが残っていない。ミラーモンスターの打撃の方がよっぽど強い。不意打ちが避けられたのも、きっと偶然に違いない。そうドラクルは思うことにした。 「初めまして。あたしは仮面ライダードラクル。あなたは?」 ドラクルは身体の回復のため、会話で時間を引き延ばす作戦に出る。 「お前、女か?」 シェイドが、初めて驚きの反応を見せた。 「だからなに? 手加減とかはいらないからね。フェミ野郎は嫌いなのよ」 その言葉のあと、しばし沈黙が続いた。 「お前も、なにか願いのために戦っているのか?」 シェイドはドラクルに問いかける。 清明院大学の学内に、日の終わりを告げる時計台の鐘の音が、遠くから運ばれてくる。 暗幕で締め切られた部室の中に、じわじわと夕暮れの色が染み込んできていた。 夕暮れ時は、人を不思議な気持ちにさせ、判断力を鈍らせるという。 部室に残された嘉山順平は、井上と小林の話す、青柳蛭子と鏡の怪物の正体について、そんな不思議な時間と情景も手伝ってか、本当に夢を見ているような気持ちで聞き入っていた。 この清明院大学で、八年前に大きな爆発事故があったこと。 それ以降、「401号室」が開かずの部屋となったこと。 「401号室」に三人で忍び込み、鏡の中から現れた怪物に襲われたこと。 青柳蛭子が、鏡中のコートの男から板状のものを渡され、異形の姿に転じたこと。 コート男の話から、彼女が願いのために戦う決意をしたこと。 井上と小林の話では、それぞれに自分勝手のオカルト的な解釈がなされており、要領を得ない点もあったが、そこまでは確かなことと嘉山は判断した。 井上と小林は、青柳蛭子が父子家庭で育ったこと、死んだ母に会うことが願いであることも話した。彼女のオカルトに対する憧れも、幼い頃の母との別れが根底にあることも、二人は感じ取っているようだった。 およそ荒唐無稽な話だったが、嘉山は事実、怪物と異形に変身する蛭子の姿を見ている。なにより、蛭子についていきいきと話す井上と小林が、この上なく真剣で、それでいて楽しげで、とても嘘をついているとは思えなかった。 怪物から身を挺して自分達を守り、コートの男が差し出した得体の知れない道具を、おびえて震えるしかなかった自分達を救うため、人柱のようにして受け取った。それを受け取ったがゆえ、戦い続ける宿命を負ってしまった彼女を、二人は心から尊敬して慕っているのだ。 嘉山も同じものを感じていた。 嘉山が怪物に襲われたとき、蛭子が身をなげうって自分を救った。 その瞬間からずっと、蛭子に抱かれた感触が、背に張り付いて消えない。胸の鼓動が、音をたてて暴れている。 (なんだろ、この気持ち……まさか俺……) 嘉山の心を見透かしたように、井上と小林は意地悪な笑顔になった。 「もしかして、君も彼女に惚れた?」 「部長は私のだから! あんたたちには渡さん」 共有した極限状態の緊張感を、恋愛感情と錯覚することがある。これをつり橋効果という。 「あたしは、叶えたい願いがある。あんたは違うの?」 「俺は成り行きで仕方なく、だな。負けてやってもいいんだが、まだ死にたくない」 落ち着いた声だった。昂ぶった攻撃心や敵意といった、尖ったものが殺ぎ落とされ、それでいて、低く重圧な迫力だけを残している。「仕掛けてくるのなら容赦はしない」というスタンスを取っているらしい。 「成り行きって、どういうこと?」 「依頼人に掴まされた。とんだ鬼札だったわけだ」 ドラクルは、ぷっと噴き出した。 「くっせー言い回し。言ってて恥ずかしくない?」 ドラクルの脚に、強い力が蓄えられていく。それは、今にも宙へ跳ね上がってきそうなほどだ。回復を図る作戦は、まずまずの成果を得た。 「依頼人って、あんたいったいどんな仕事してるの?」 そう言い終えた瞬間、ドラクルのハイキックが、シェイドの顎を目掛けて伸びてきた。シェイドはそれをスウェーでかわす。唐突な攻撃にも俊敏に反応してみせた。 「上手いタイミングだ。不意打ちが得意か」 ガラ空きになったドラクルの懐に飛び込み、拳の連打を叩き込む。 だが、ドラクルはすぐにバランスを立て直し、ブラッドセイバーを袈裟に振り下ろした。シェイドの肩口から脇にかけて、激しい火花が走る。 シェイドが軽い呻きをもらす。 ドラクルはもう一歩踏み込もうした。 それに合わせ、シェイドが長剣、ワイルドバイザーを居合いのように抜く。カウンター気味に、横薙ぎの斬撃がドラクルの鎧に傷をつけた。 「こンのおおぉ!」 ドラクルはそれでも怯まず、ブラッドセイバーをやや下方に構え、シェイドの腹部を刺突せんと飛び出す。 "ナスティベント" 身震いするような、すさまじい咆哮が轟いた。ドラクルの脚が、おぞけに震って止まる。獣の叫びがどこから来たものか周囲を見渡すと、シェイドの契約モンスター、ワイルドテイカーが、時計台の上から天を仰いで吼えている。夕焼けの街に、場違いな四足獣のシルエットが、不思議に調和していた。月夜の崖の上で、遠吠えする狼の姿を思わせる。 "ソードベント" また、ドラクルの装甲に亀裂が走る。ナスティベントに気を取られた隙に、シェイドは新手の武器を召喚して、二刀を構えている。召喚機のワイルドバイザーに加え、ワイルドブレードが交互にドラクルを切り裂く。 ――大丈夫、大して痛くない。痛くないけど…… 押されているのは自分の方だ。そう感じ始めていた。今までの攻撃で、それほど効いたものはない。が、こちらの攻撃も通っていない。すべて動きを読まれたかのように、捌かれる。 ――コイツ、強いのか弱いのかよくわかんない!! ドラクルは苛立った心持ちを一度落ち着かせ、距離をとった。奥の手を出すつもりだった。 「はああああぁぁぁ!」 己を鼓舞するように叫びながら、ブラッドセイバーを突き出して、もう一度シェイドへ向かって突進した。 対するシェイドも、迎え撃つ気で二刀を構える。二頭の蛇が鎌首をもたげる、不吉なビジョンがドラクルの脳裏をよぎった。 止まらない。恐れをかき消すように、ただ突っ込むだけ。 シェイドの左右の手に握られたワイルドバイザーとワイルドブレードは、獣があぎとを開くように、上下に軌道を分岐させた。上段のワイルドブレードが、ドラクルの喉元を目掛け、空気を裂きながら突き進む。ライダーの強力なグランメイルといえど、喉部は胸部のチェストほどの防御力はない。強力な武器で貫けば、致命傷になりうる。 しかし、シェイドの真の狙いは下段のワイルドバイザーだった。その目標は、ドラクルのVバックル。モンスターとの契約を司る、ライダーの生命線である。大仰な上段の攻撃はフェイクだった。 ワイルドバイザーの切っ先は、あと数ミリでドラクルのVバックルに触れるというところで静止した。直線の軌道を描いて向かってきたブラッドセイバーが、チェストのない、軟い下腹部に触れる感触を味わい、そのまま振りぬけば貫かれるという予感が、シェイドの手を止めたのだ。 「膠着状態……か」 シェイドは、落ち着いた声で言ったあと、ふと、ドラクルの視線に違和感を抱いた。今、死闘を演じている相手であるはずの、自分を見ていない。 むしろ、自分よりも、もっと後ろの方…… 「遅かったじゃない。手伝ってよ」 シェイドの背後の、何もない空間を見ながらドラクルが言った。 シェイドはこの戦いが始まって、初めて心臓が縮み上がる思いをした。そこでまんまと振り返るほど、思慮の浅い男ではない。だが、予想外のブラフに、頭の中に無理やり空白を作らされたようだった。 "ドレインベント" ブラッドバイザーをシェイドの腹部にあてがったまま、ドラクルは一枚のカードを腰にささったバイザーに装填していた。 気付いたシェイドは、ドラクルのVバックルを貫かんと手に力を込めようとする。が、 両手に持っていた武器が、するりと抜け落ちた。高い金属音が鳴り響く。 「手に力が入らない……?」 全身から、生命力が奪われる感覚。倦怠感。身体が異様にだるい。指先が冷え切ったように、思うように動かせない。 ドラクルの剣を通して、緑に光るオーラのようなものが、シェイドの身体から吸い取られていく。 「うふふ……ゴチソウサマ!」 ドラクルの装甲につけた傷跡が、みるみる塞がっていく。それだけでなく、全身から緑色の光が溢れている。シェイドから奪ったエネルギーを漲らせ、それを身体の中に押しとどめられず、どくどくと体外に放出しているようであった。 ――まずい! 震える手を握り締め、落としたワイルドバイザーをなんとか拾い上げた。目前には、追い討ちのブラッドセイバーが迫る。その速度は、今までの非ではない。シェイドはVバックルからカードを抜き、脱力して倒れこむように剣撃をかわしつつ、寝そべったままバイザーに挿入する。目標を外れたブラッドセイバーは、アスファルトの大地に深々と突き刺さった。体力の回復だけでなく、パワーアップまでしているらしい。 "アドベント" 主人の危機を救うべく、唸りをあげてワイルドテイカーが馳せ参じた。 ――俺の場合、契約モンスターを呼ぶことは、あまりおいしくない。 ――脆弱なモンスターを敵に晒して、もし倒されでもすればブランク体に逆戻りだ。 シェイドはワイルドテイカーの背にしがみつき、距離を取ろうとする。それを、ドラクルが強化された脚力をもって追う。 もともとスピードに優れていないワイルドテイカー、それも背にライダーを乗せてでは、今にも追いつかれそうなほどに距離が切迫していく。 "ファイナルベント" ワイルドテイカーの背の上で、シェイドはその不吉な宣告を聞いた。 眼前にドラクルの契約モンスター、ブラッドフリーカーが現れる。だ円に潰れた蛇のような外見に、ミラーモンスター特有の金属質な縞模様が走っている。それが、口の中からズルズルと長い針を伸ばして、行く手に立ちはだかる。 ――出せるもん全部出すしかないな、こりゃ。 軋む身体に鞭打って、シェイドも切り札を抜く。 "ファイナルベント" フェンシングの構えから突き出されたブラッドセイバーが、空を切った。シェイドとワイルドテイカーは、左右に展開して突きをかわしたのだ。 ワイルドテイカーの、刃物のような鋭い尾。そしてシェイドのワイルドブレード。この二振りの刃が光の直線と化し、彗星の如く尾を引いて交わる。 その交差の中心には、いうまでもなく、鎧を十字に裂かれたドラクルがいた。 ――浅い。 手ごたえは充分。会心の攻撃だった。それでもなお、致命傷たらしめるには至らなかった。ドレインベントにより、お互いの体力の差が予想外に開いていたのだ。 「痛ったいわね――――!」 ドラクルが、再びフェンシングの構えをとった。シェイドは上半身を後ろに反らしてかわすつもりでいたが、その背後には、ブラッドフリーカーが不気味な針を口から伸ばして待ち構えている。 シェイドは覚悟を決めた。正面から受け止めるしかない。おそらく相手のファイナルベントは、自分の技と違って、直撃を食らって生きていられるほど甘い代物ではないだろう。失敗すれば命はない。シェイドは、カードデッキの最後に残った一枚に、すべてを託した。 だが、ドレインベントの強化を得たドラクルの刺突は、シェイドの想像以上に速かった。 カードを装填し終えた瞬間。もう目前にブラッドセイバーの切っ先が伸びてきている。 "タイムベント" シェイドの召喚機が音声を鳴らす。 それと時を同じくして、ブラッドセイバーがシェイドの喉元に突き刺さろうとする。このまま、ブラッドセイバーとブラッドフリーカーの口針に貫かれれば、シェイドは一瞬にしてエネルギーを吸い尽くされ、たちどころに出涸らしの茶葉と化すだろう。 その瞬間は、まもなくやってくる。数瞬の時の中で、無数の思いがドラクルの心中を駆け巡る。 ――勝った! ――タイムベント? ――あたしの方が速い。 ――どんな効果。 ――効果発動より。 ――大丈夫。 ――タイム。時間? ――届く。もう。 ――ほら。 あとほんの少し先の未来に、運命付けられたはずの出来事。 宿命といっても差し支えないほど、間違いなくこの手にやってくるはずの感触。それがなかった。 真っ直ぐ敵の喉元に狙いを定めたはずの剣が、大きく軌道を狂わせ、虚空を走る。 「あっ? なんで外れ……」 シェイドとドラクルのあいだにあった空間が、一瞬にして縮まった。お互いの息がかかりそうなほど近い。 そっと、シェイドの両掌が、ドラクルの左胸にあてがわれた。その瞬間。脊髄に氷柱を刺されたような悪寒が、背筋を走り抜ける。 不可解なシェイドの予備動作。どんな攻撃が来る。 「なぜ、装甲の薄い箇所ではないのか」「なぜ、強固に守られた胸なのか」「なぜ、拳でなく掌なのか」 その違和感が、予感よりも確かな確信となって、ドラクルの本能に訴えかけた。 ――やばっ……受けたら…… ――後ろに跳…… 衝撃が、波となってドラクルの身体を貫く。 咄嗟のバックステップにより、掌底の打点は胸から下方にずれ、腹部にヒットした。 「かっ……!」 空気の塊が、潰れたような音を立てて、気管から押し出される。息が苦しい。衝撃を直接打ち込まれた胃が、暴れるように震盪する。胃痙攣を起こしているのだ。 「なに、これ……気持ち悪……おぉえええええええええええええええ!」 ビチャビチャと音を立てて、吐しゃ物を垂れ流す。 ドラクルはぞっとすることに気付いた。もしこれが、胃でなく心臓に打ち込まれていたら…… シェイドは、よろめくドラクルの右手首を絞り上げ、アームブレイカーの体勢に持っていく。 ――ライダーバトルで……関節技? こうなっては、ライダーとしての腕力は関係ない。人間の構造として動けないのである。 ――スーツの中……ゲロが……コイツ、女相手にも全然容赦しねえの…… 動きを封じられた以上、この戦いの結果は、どちらが先にミラーワールドに入ったか、すなわち、ミラーワールドでの残り稼動時間によって決まる。先に入ったのがドラクルであれば、シェイドはドラクルが消滅するまで技を解かなければいいのだ。ドラクルも、自分の置かれている状況を理解している。 「痛たたた……ちょっと、あんた……この勝負は引き分けだから……技といて」 シェイドに事実を知る手段はないが、ミラーワールドに先に入ったのはドラクルだった。あと少し時間が経てば、その身体は消滅する。 「まだわからない。こうして待っていれば、どちらかが先に粒子化を始める。それで判断するさ」 淡い泡のような粒子が、立ち昇り始めた。 その粒子が出ている身体は…… 「そんな馬鹿な!? まだ数分しか経ってないはず……」 シェイドが、透明の粒子を立ち昇らせながら、驚きの声をあげた。ミラークロックと化した時計台の文字盤を見上げると、針は五時四分を指している。シェイドがミラーワールドに入ったのが、五時の少し前。稼働時間はまだ充分にあるはずだった。 「ね? 言ったでしょ? 早く離してよ」 ドラクルの身体は、まだ粒子化が始まっていない。 そこで、シェイドは気付いた。シェイドの粒子化は、主にブラッドセイバーに切り裂かれた亀裂から、激しく起こっていたのだ。 「お前の武器の効果か……」 「わかったら早く離して。あたしも急いで戻らないとやばいの!」 わずかに遅れて、ドラクルの身体も粒子化が始まる。シェイドはようやく関節技を解いた。シェイドの粒子化が先に始まった以上、もうドラクルにとどめを刺す決め手は存在しない。カードの一枚すら残っていない。もっとも、それはドラクルも同じである。 「あなた、叶えたい願いがないってことは、他のライダーと戦う必要がないってことよね?」 「ああ」 シェイドが投げやりに答える。 「それ、貸してくんない?」 ドラクルが指差した先には、シェイドがここまで乗ってきたライドシューターがあった。 「あたしの、途中で乗り捨てちゃってさ。大学で変身したもんだから、走ってちゃ間に合わないの!」 さっきまで殺し合っていた相手に対してこの言い草。シェイドは呆れを通り越して感心さえした。とはいえ、シェイドに他のライダーを助ける理由もない。 「わかったわよ! 二度とあんたのこと狙わないから!」 言うが早いか、ドラクルは走ってシェイドのライドシューターに飛び乗り、急速発進した。 「あたし、清明院大学の青柳蛭子! 縁があったらまた会いましょ!」 ライドシューターはすぐに見えなくなった。 シェイドは、鉛のように重くなった身体を引きずりながら帰路につく。 「手の内、全部見せちまったな……」 ブティックのショーウィンドウを通り抜け、シェイドは真崎陣の姿に戻った。 吹きすさぶ風は、冷たくなっていた。薄いワイシャツを風が通り抜け、全身にかいた汗を冷やす。ふと、ジャケットを失くしたことを思い出した。 モンスターに襲われた中年女性を助ける際に、目隠しに使ったのだった。少し前のことなのに、それがずいぶん昔のことに感じられる。それは、先程の数分の戦いが、数時間にも感じられたことと、決して無関係ではないだろう。 昼時の、爽やかな木漏れ日は嘘のように消えうせ、新緑の木々が夕闇に染まっていた。道を歩く足取りも、自然に愁いを帯びたものになっていく。 「あの……これ、あなたのですよね」 後ろから、急に声がした。真崎は声の方を振り返る。 「そこに落ちてたんです」 おかっぱの少女が、真崎のダブルのスーツを抱えていた。顔に見覚えがある。あの中年女性にクレームをつけられていた、書店のバイトの少女だった。 「さっきは本当にありがとうございます……でも、あれ、本当に私が悪かったんです。私がちゃんと受け答えできないから……」 真崎は、それまでのしかめ面を笑顔に一変させた。 「余計なお世話だったか。ありがとう、助かったよ。風邪をひくところだった」 少女の手からスーツを受け取り、真崎は礼を言って立ち去ろうとする。 「あの……私、しっかりバイトがんばるので……また、このお店来てくださいね」 顔を僅かに紅潮させて、真崎の背中を見送りながらそう言った少女に、真崎は背を向けたまま手を振って応えた。 ドラクルの乗ったライドシューターが、交通の存在しない快適な道路をフルスロットルで走り抜ける。 急がなければこの世から消滅してしまう。 留年のかかった後期試験の日に寝坊して、スクーターを飛ばして大学へ行ったときのことを思い出す。 「タイムベントってなんだったんだろ? それと、胸に手を当てて突いたあれ……それにしてもスーツの中がゲロくせえ」 シェイドが最後に使用した"タイムベント"は、十秒間、時間を停止させる効果を持つ。 そのあいだ、シェイドも動くことはできないが、思考を働かせることが可能となる。 ドラクルのファイナルベントは、シェイドにヒットする直前で、ボラギノールのCMの如く静止した。そして再び時が刻み始めた瞬間、シェイドの手は一切の迷いもなく、達人の見切りとなってブラッドセイバーの攻撃のベクトルをずらした。力が大きければ大きいほど、僅かのズレが、その軌道を大きく狂わせることになる。 ドラクルの左胸を狙った掌底は、鎧の上から武者の心臓を止めると言われる「重ね当て」という打ち方である。武術を一通り学んだシェイド――真崎陣にとっても、本で読んだだけで、実際に使ったのは初めてだった。それが対ライダーにおいて、予想外に効力を発揮した。 「あっ……そういや、あいつにカードの効果全部見られちゃったな」 ライドシューターで構内に突入し、階段を強引に駆け上がる。暗幕に仕切られた、見慣れた研究室が見える。 「ただいまー!!」 大きな鏡台から、青柳蛭子が飛び出した。 「おかえりー!!」 即座に、井上と小林が蛭子に飛びつく。嘉山順平も、それを馬鹿にした目で見ることができなくなっていた。 翌日。清明院大学の構内を、紫のローブを着て、恥ずかしそうに歩く嘉山の姿があった。 「お前、どうしたんだよ!?」 「あの女に洗脳されたのか!?」 昨日、嘉山を見捨てて逃げた二人の友人が、心配そうに近寄っていく。 「部長に惚れた……かも」 嘉山は、自分でもどう説明していいか分からず、どぎまぎしながら答えた。 姫山学園の体育館。女子剣道部の面々が、休憩の合間に雑談に華を咲かせていた。 いつもは大人しげに話に聞き入るおかっぱの少女が、今日は妙にいきいきと話に乗ってくる。 「ミチルちゃん、なんかいいことあったの?」 霧山凪も、つられて笑顔になりながら、尋ねる。 「んーん。別に!」 本筋と関係ないところでこんなことになっていた。
https://w.atwiki.jp/shuinn/pages/124.html
八坂神社 京都府京都市東山区に鎮座する八坂神社の御朱印です。全国の八坂神社の総本社です。 「御神縁」の御朱印です。 7月の祇園祭の期間だけいただける、祇園御霊会の御朱印です。特別な台紙に書かれたもので、日付は入りません。500円でした。 「青龍」の御朱印です。1日に授与される枚数が限定されているようです。上の御霊会のものと同じく、専用紙への書置きで、500円でした。 恵方の御朱印です。 1月1日から5日までの期間限定でいただける美御前社の御朱印です。→現在は通年、下の様式でいただくことができます。 1月9日・10日に行われる祗園三社詣の御朱印です。御本社のほか、大国主社と蛭子社を巡拝します。→現在は通年、下の様式でいただくことができます。 令和元年、改元記念で「奉拝」の文字が金色になっていました。 摂末社の御朱印もいただけます。上から悪王子社、冠者殿社、御供社です。 御朱印はすべて拝殿向かって左後方の授与所でいただきました。 御供社が、又旅社に変更になっていました。 平成29年より、摂社・末社の御朱印は書置きにて拝受できるようになりました。 ★この神社には、オリジナル御朱印帳があります。 八坂神社の御朱印帳です。18cm×12cmです。 ★住所 京都府京都市東山区祇園町 - 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kaisourui/pages/16.html
名簿トップへ ミラー学園性別別名簿 ミラー学園 学年別名簿 名前 性別 1年生 キャンディー・和田 男子 咲上シズキ 二重人格両性 ラント=アークライト 男子 リグミット・ワルツ 女子 レブゼリナ 女子 2年生 キルシェ・フォルト 男子 早乙女春美 二重人格女子 夏樹大地 苦労人男子 雪葉ひのと 女子 3年生 千宮寺九十九 男子 竜波瑚溯 女子 西方クロカ ヘタレ男子 西方シロカ 変態女子 4年生 古原陽羅 ボコデレショタっ娘 白浜魚月 脱力系女子 ノイン・フリューゲル 謎系女子 リオン・カルツァーノ クール系男子 レイス・エルフィーレ クローン男子 5年生 エレン・リトゥアル 男子 カラー オカルト男子 シーシャン=リンギング 女子 蛭子清也 苦労人男子 フユカ 女子 南原双葉 女子 学年不明 時雨 中二病女子 トウキ 不明 花園火白 蛇系女子 ベンケイ 女子 教師 教科 名前 性別 現代文 ローゼ・ケントニス 女性 古文 リリエ・ケントニス 女性 英語 ユキト 男性 現代社会 ノルス・アーヴィング 男性 日本史 榎乃沢那智 男性 数学 左内零時 男性 理科 七子 時々変態女性 化学 チェルカトーレ・ファータ 女性 生物学 嘉島レイゴ 男性変質者 体育 古原深影 男性 家庭科 金糸雀 ロリコン男性 美術 秋春 男性 学食調理師 カーネ・ヴァル 男性 司書 古原紫蓬 男性 保険医 王青李 男性 用務員 シィナ・エフォート 女性 非常勤 マディア・モヴ・カタラ 女性
https://w.atwiki.jp/chirolonline/pages/36.html
なまえ ましぃ(masha) あだな ましぃ、まろ 所属(?) ちぃのリア友 マイクラ内ポジション 初心者、建築勢、3D酔い マイクラ内功績 現代的自宅建築 マイクラ外活動 グラナドエスパダ
https://w.atwiki.jp/ffawiki/pages/33.html
名前 技 玄武 須佐之男命 大暴れ 神猫ペルシニア マタタビよこせ~ 古の狼ウルフ金串 古のWC和式改 古の3億円強盗犯A 古の春風鎌鼬 古の河童緑一色 役満ツモ~!!!!! 古の団子愛好家八兵衛 古の巨人獣ゴジラ 古のヒュドラ リーチ一発ドラドラ!!! 古の古代兵器オメガ アトミックレイ 古の古代兵器オメガⅡ 古のケルベロス 古のFRAE86 古のマンモス西 古の大泥棒ネズミ小僧 参上!!! Gマイナス 古の破壊神アスラ 古の宝箱ミミック 古の八咫烏 今はサッカー代表ユニホームに・・ 古のパンドラ 古のスペースゴジラ 古の巨竜キングギドラ トリプルブラスター 古の賢者MP0だZ マジックポイントが足りません! 古の雪男イエティ 古のメドゥーサ 古の左官屋塗壁 親方~出来ました~!!! カリフ シェイフ・リヤード アーム・デス・ムック 炎の巨人スルト レーヴァンティン!!! 笑いの神SP笑い袋 他人を装う父と母 貴方のことなんか知らないわ 禁煙の神パイポ M神SP飴と鞭 憎しみの壁を越えて 天照 伝説の斧使い与作 伝説の裏表山猫 伝説の暴走娘レディス パラリラパラリラ♪ 伝説の騎士オルテガ メガスラッシュ 伝説の大天使ペテン 伝説の大工SP源 伝説の走り屋AE文太 水こぼすなよ!!! 伝説の教祖しょ~こ~ 信じるものは救われる!!! 伝説のメイドおはる 伝説の暴れん坊将軍金 伝説の大天使ペテン ペテン師にはご注意を! 伝説のパチプロ矢吹丈 伝説の幻魚MRイトウ 伝説の蝶CR猪鹿蝶 伝説の勇者ロト6 太陽の神アポロン 赤い運命 血祭り! 悲しき運命マルコア ふむ・・・ 亡命する青年 月の神アルテミス 月光仮面のおじさん召喚! 神隠しスーパーPv スイマセン吸いません!!! 豪神ハルク マグナムクラッシュ アースドラゴン サンダードラゴン サンダーブレス! アイスドラゴン ブリザード! ヘルウィングドラゴン ヘルブレス ファイアドラゴン フレア! ベートーベン 母ふたり、父ふたり 古代最強の魔鳥・鳳凰 ゴッド・バード 果てなき運命ザンス 破壊神ツインタニア ギガフレアG 緑服のセクトの男 ギャンブルの神ダイス 一か八か!! 剣神シン 烈風破斬 アマテラスオオミカミ ど~も~スサノオノミコトの姉です 氾濫 大洪水 暴漢 風神サウザー 大魔神ゴレム 砕砕砕砕砕!!! 占い師 死相が出てるよ・・・ フェンリル 吸引! 蛭子神 猫に小判~♪ Gマイナス 北斗 繁栄 ヴァルキリー 戦い好きの女神です♪ 破綻 ベートーベン君ありがとう 振り込みマ神 月読命 六芒星 マヌエラ こいつには指一本触れさせねぇ! 盟神探湯 呪殺 新たな運命の時 フォーチュン 海賊団員 オラオラー!! 手をとって涙の海へ 忘れません、あなたのことを・・・ 炎のアンダルシア 宴龍火 水神アクエリアス 泡銭 あぶく銭は残らないwこれ運命! Gマイナス スレイプニル オーディンの馬です♪8本蹴! 南斗 ヤマタノオロチ スサノオ如き返り討ちしてくれる! ステ低下 戦いの神オーディン 生誕 ビックバン スフィンクス 生贄と成れ!! 父がひとり涙する時 神犬ポチポチ 骨くれ~ 魔神ガラル ダークシャフト 破滅の時 風神扇風機RX改 運命の父と娘に幸せは メカキングギドラ メガトリプルブラスター イブ アダム~♪ 愛と憎しみの間に 親をかばう血の叫び 血の樹陰 ステ低下 山賊団員 どりゃー!! 母の記憶がもどる時 アダム イブは何処だ! 揺るぎなき運命ギルガ ほくろ・悲しい愛 増殖の儀 貧乏神オケラ 憎しみの壁を越えて 魔神ジャミラス ブラッドファング 父ふたり 臭い息(体臭付き) ステ低下 魔神ネクロフォビア 雷神トール ゴールデンハンマー!!! 白虎 神鳥ピー助 絶対運命黙示録 レクイエム 卑弥呼 ロック七福神布袋 父の決断の時は来た 新生 春 死神キル 雷神ネロ 競艇七福神蛭子 有り金勝負~!!!!! Gマイナス まな板の上の鯉 なされるがまま・・・ 父よ急げ!! 娘をさらったのは誰だ! 我が娘にすべてを 疫病神フキツ 炎神アポロネス エクスキューション 神鳥ヤンバルクイナ 天然記念物!!! 学問の神菅原道真 ユミル 神話の世界に住んでます! ゲーム神高橋名人 秘儀トリプル連射!!! 恋のキューピット 恋のスピードUP! 儚き運命レクサス 青龍 ひとりぼっちのわが娘 寂しくなんかないもん 雷神高木ブー 長さん給料上げて~♪ 醜いアヒルの子 転職して白鳥に!!! 嘘つき神800SP 魔神ネクロフォビア 消えろ! カウントダウン開始 全ての神ゼウス
https://w.atwiki.jp/genesistou/
~ Genesis党HP~ グラナドエスパダルネッサンス・ダイアモンドサーバーで 活動中の「Genesis党」ホームページです! 党員随時募集中!
https://w.atwiki.jp/karishooterwiki/pages/1522.html
英語 / English 徳島県,徳島市 住所徳島県徳島市南沖洲1丁目1-1-93 交通【JR徳島駅から車で】東へ約15分、県道38号沿い。 【同上・徳島市バス(徳島市交通局)で】沖洲・南海フェリー線『蛭子前』で降車、徒歩3分。 【高速道路の場合】徳島ICから約15分、鳴門ICから約30分。 料金100円 設置タイトル怒首領蜂大往生 and ケツイ -絆地獄たち-(2in1) F/A ARCADE BOX 2821(2821in1)【2クレジット】(テーブル筐体/連射切替スイッチ装備/ゲームリスト) NESiCA×Live(2セット)トラブル☆ウィッチーズAC -アマルガムの娘たち- 赤い刀・真 for NESiCA×Live 星霜鋼機ストラニア 雷電III 雷電IV for NESiCA×Live クリムゾンクローバー for NESiCA×Live 斑鳩 for NESiCA×Live ALL.Net P-ras MULTI(2セット)ゲーセンラブ。-プラス ペンゴ!- VER.B アンダーディフィートHD+ カラドリウスAC 営業時間10:00 ~ 24:00 駐車場無料平面/立体駐車場完備 TEL088-664-0311 URLhttp //www.novil.co.jp/amuse/ https //twitter.com/apollookinosu/with_replies 過去入れ替え検索用 1 / 2 / 3 地図Yahoo! Google 備考究極タイガーは故障中の模様 情報元 最終更新日2018/10/10 15 37 06※2018年10月5日現状確認
https://w.atwiki.jp/sinsinobigami/pages/19.html
概要 忍法考察 【逢魔時】 【神隠】 【狂骨】 【木魂】 【付喪神】 【生剥】 【鵺】 【野衾】 【震々】 【見越】 【夜雀】 【猟犬】 【荒吐】 【鬼火】 【怨霊】 【呑口】 【百眼】 【蛭子】 概要 どれもこれも判定もコストも必要ない狂った性能である。 まあ敵が使うためのものだからいいだろうと思いきや妖魔化することで使用可能である。 妖魔化する方法としては【秘棺】、「死霊粉」を使う。【秘棺】、背景「魔人」を修得する。 この3つ以外はプライズや「一般人」関係ぐらいだろう。 妖魔化しない場合は【真蛇】でしか修得できない。 忍法考察 【逢魔時】 無条件に発動でき、判定は自由だが成功者がいないと生命力を2追加される。 分かりやすく強いものである。指定特技もランダムなので、 対策としては【虎落笛】を使おう。 【神隠】 珍しく弱い忍法の一つ。【騎行】の下位互換である。 いつでも使え判定に成功すれば効果を与えられる【騎行】と違い、 自分のシーン限定で相手の判定に依存する【神隠】は正直弱い。 【狂骨】 自分よりも上の射程は全員間合いという頭のおかしい忍法。 雑魚は全員これと【閻魔】を持たせておけば、 プロットや判定がいらないので楽になる。 「神面瘡」なんかと組み合わせるとおかしなことなる。 【木魂】 感情さえ持っていれば無条件で接近戦ダメという頭のおかしい忍法。 【孤狼】なんかを持っているボス相手にはしないと面倒な感じはあるので GMがさせざるを得ない状況を作るときに持っていると思う。 【付喪神】 攻撃代用で「マヒ」の変調を与えるというそこそこな忍法。 判定に失敗しないと発動しないので、妖魔忍法の中では比較的おとなしめ。 【生剥】 【影斬】を追加で与える頭のおかしい忍法。 対策としては、【影分身】で一方的に殴るくらいだろうか。 【鵺】 奥義の内容を【範囲攻撃】に変更する忍法。 情報もバレているうえ、戻すことができないうえ、攻撃代用という 妖魔忍法の中では比較的弱い。 【野衾】 プロット1で【無拍子】+【肉風船】を行うだけで絶対無敵になる狂った性能の忍法。 というか単体でも強い。 【震々】 【幽霊部員】が持っている。 回数制限があるとはいえ相手を逆凪にさせる点と、そのあと攻撃できるのは強い。 【見越】 【長肢】と【獣化】を足した頭のおかしい忍法。 【獣化】+【見越】+【外縛陣】で 【霾天】をされても プロット1からプロット6まで全体【帝釈天】を打てるというから狂っている。 【夜雀】 【閻魔】のサポート版。 分かりやすくおかしい忍法。 特に【誘導】や【艶花】などでは異様に強くなる。 【猟犬】 プロットを自由に移動できる忍法。 これだけでも十分強いが、【鏡地獄】と組み合わせるとおかしなことになる。 【荒吐】 攻撃系の奥義を奥義破りすると2点ダメを食らわせる忍法。 相手は奥義を自由に使える点が微妙だが、結構強いですむ忍法。 【鬼火】 【刃隠】の上位互換。 成功したかどうかにかかわらず使える点が強い。 【怨霊】 【設定帖】と相性がいい。 【無面目】を持っていれば発動させやすいし、NPCには普通に通じる。 【呑口】 防御系の奥義を奥義破りすると2点回復する忍法。 ボスが使うと、相手は奥義を自由に使える点が微妙といえる。 しかし、PCが使う場合は特技も回復するため、すごく強い。 【百眼】 見切り判定自動成功の時点で1.2個の忍法を無効化できるというおかしな性能。 それに加えて【博識】の完全上位互換の性能を追加するから狂っている。 【一見】でもあれば相手は死ぬ。 【蛭子】 【金剛】の派生。 弱くはないのだが、他のものが階級問わず強いのに対して、 こちらは中忍はともかく上忍が入手するには弱く感じる。
https://w.atwiki.jp/ainoromance777/pages/14.html
・8月24日 党設立 ・8月26日 Leinaさん入党 ・8月27日 24時間グラナドエスパダ開催しますw 朝までプレイするイベントですw 開催時間は夜12時~朝6時までです。 /
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/216.html
439. ひゅうが 2011/12/17(土) 06 15 33 430-431 の続き 半分ネタSS―海から来た怪物―その2 ――同 伊豆大島 差木地村 差木地村は、さしきじむら、と読む。 帝都東京の都制施行に伴い、東京都の所管となっている伊豆諸島にはいくつかの「支庁」が設けられているが、そのうちのひとつである大島支庁の南部に差木地は位置している。 北部にある海軍大島基地(大島滑走路)に代表されるように、伊豆大島の北部の大島地区(元村など)は比較的平地が広い。 しかし、島の中央を占める三原山を隔てた南部は、ほとんどが山がちである。 南西に筆島というまるで筆先のように見える30mほどの岩があるが、その周辺をみると急峻な斜面が太平洋の荒波に削り取られており、この島がかつては流刑の島であったことをそのおどろおどろしい光景と共に思い知らせてくれる。 そこからさらに南へいくと、南端の小さな湾である波浮地区に至る。ここから東へいくと、目的地である差木地村に至る。 この村は、大島南部としてはありがちであるがまるで山腹に張り付くように集落が築かれている。 高台に春日神社を置き、それに隣接する形で林浦寺という寺を置いているのは典型的な漁業集落であるといえるだろう。 この集落の様子は、島の南部を構成する灰色の岩盤とそれにへばりつく森林や家並みが不毛の島に文字通り「地に差し木された」ように見える。 「まるで、海から少しでも逃げたいみたい――」 それが、加藤八千代のこの村の第一印象だった。 南の波浮港には海上保安庁のPVS(200トン)型巡視船が存在しているが、小さな差木地港にあるのは、木製の漁船が多かった。 焼玉エンジンのほかは、昭和初期に実用化されたヤマハ発動機の船外機を付けた舟が目立つ。 本土での漁船の更新によって海を隔てた大島まで中古とはいえ立派な漁船がまわってくるようになっているのだろう。 「このあたりは、古い家がまだ残っています。土俗的といって壊そうとした話もありましたが、文部省が補助と保存事業は――ああ、あなたの方が詳しいですか。」 案内役の警官が笑った。 なるほど、確かに。 このあたりの集落は、旧家と普通の家の違いが外観からはあまり見受けられない。だが、茅葺などではなく立派に素焼きの瓦葺きである。柱には一切釘は使用しないという。 島を一周する道路のうち片方が大正の噴火の影響から整備が遅れているので今は島の中央部の「砂漠」を突っ切る西側のルートを通ってきた私たちは、地区の路地を進んでいった。 今の時間帯は舟は漁に出ているかと思ったが。 「ああ・・・地獄の釜の蓋が開く日、です。この時期に海に出ると海の底に引きずり込まれるので、漁には出ずに家の中で春日さまに祈るんですよ。」 「お盆の時期は海に出るな、ですか。確かに全国的に分布している伝承ですね。」 「しかし、予備調査とはいえ、あの山村千鶴子に本当に会うんですか?東京の学者に連れられて行った先でブンヤどもにさんざんにやられてから気が変になっていると。」 「ええ。予備調査は必ず広い範囲での調査が必要になりますから。」 車は、高台の比較的上の方で止まった。 春日さまを右上に見るところで、ほかの家々からはやや離れている。 察するに、この家の主は首長か、もしくは祭祀に関係する者だったのだろう。 でなければこの原始共産的とさえいえる共同体で特別な場所を占めることはない。 表札には、山村とあった。 「山さーん!お客だよー!」 警官が叫んだ。 「誰じゃあ?・・・おんや、元の若いのじゃねえけ?」 「若いの、というのはやめてくださいよ。ああ、こちらは東京から来られた加藤さん。」 元村の若い奴、という意味らしい仇名を呼びながら奥から出てきた老婆は、私の方を見るや目を見開いた。 そしてつかつか歩み寄って来る。 「・・・あんた・・・」 「お初に。神祇院から参りました、加藤と申します。」 私は、懐から御朱印を取り出した。 それを見た老婆は警戒感を解いたようだった。 朱印に無理をいって主上の辰筆をあおいでおいたのがよかったのだろう。 「よく、修められましたな。若いのに。」 「奇妙奇天烈な出自ですので。まぁ人並みに過ごせるように修練はいたしました。」 私は一礼する。 ふむ。と老婆はこちらを一瞬鋭い目で見ると、再び「若いの」を相手にしていた時のような笑顔になった。 「ま・・・こんなところじゃあ何だ。中に入られぇ。若いの!お客は預かった。お前さんは帰っておきな!何かあったなら電話で伝えるけぇ。」 老婆、山村峯(ミネ)はそう言って私を招き入れた。 「ああ!ばっちゃん!ったく・・・そういうことなんで、迎えがいるときは呼んでくださいね!」 440. ひゅうが 2011/12/17(土) 06 16 35 「んで、何の用かね?」 「お宅の娘さん、千鶴子さんのことで。」 視線が鋭くなるものの、やっぱりかという表情になる老婆を前に、私はあの席でのやりとりを思い出していた。 2週間前――帝都東京 神祇院本庁舎 「よりによってこのタイミングで――」 「八千代君ももう大人だ――だが心配――」 「MMJに動員をかける必要がありますね。幸い差木地分校にも春日神社にも同志はいるので――」 扉の向こうからそんな言葉が聞こえてきた。 「入ります。」 ノックの後、私は総長室へ足を踏み入れた。 「加藤中級職一等神祇公安官、参りました。」 「御苦労。こちらは知っているな?」 「は。内務省の阿部局長、大蔵省の辻次官。」 私は、見知った顔ぶれに一礼した。 神祇院総長をつとめる辰宮洋一郎は、今は「真面目モード」らしく奥方の写真をデスクに伏せている。 いつもは私に異常なほど構いたがるこの3人が深刻そうな顔をしているのには、何かまずいことが起こっているのだろうと私は察した。 「君に頼みたいのは、厄介な事案だ。」 阿部局長が口を開いた。 「アーエンネルベの一部が暴発したことで、列島の地脈が混乱状態なのは知っているだろう。」 「存じています。父と母がそれに関してジョーンズ博士と一緒に動いていることも。」 2カ月ほど前、富士の浅間神社が列島の地脈異常を感知した。 調査が行われたところ、異常の発生源ははるか南方のバリ・スラウェシ島において発動されたことが判明。動き始めたドイツ第3帝国の秘密組織との兼ね合いもあり、神祇院の主力は現在本土の鎮守にかかりきりになっていた。 「それに伴い、危険な『異物』が目を覚ましたようだ。これを。」 写真が手渡される。 傍目には何も映っていないように見える。だが、私が写真をなでると・・・ 「なんですか?これは――」 そこにあったのは、海に漂うあらゆる汚らわしいものの混合物のようなものだった。 腐った魚、海棲生物の死骸、海鼠や海藻類で彩られ、その周囲を半分骨が見えた水死体が彩っている。 毒々しい色の斑の淵には、辛うじてそれの骨組みであろう何かの植物の束が見えた。 「海坊主でもなければ黄泉のものでもないですね。水底にいたイザナミノミコトは父さまたちの尽力のおかげで遅れてきた新婚時代でバカップルっぷりを発揮しているのを確認していますし――」 私は、はたと顔を上げた。 「まさか・・・葦船ですか?これは。どこでこれが?紀州熊野への逆上陸は忍野君たちが見逃すはずはないですし・・・」 441. ひゅうが 2011/12/17(土) 06 17 06 「伊豆ですよ。」 辻さんが口を開いた。 「伊豆大島です。『それ』が何かは不明ですが、『海からやってきた』それは、確かに上陸したと。春日の祭礼の前日に。」 厄介な。 春日と名のつく神社は、春日大社の系譜に属する。 鹿嶋立ちといって、もとは茨城の鹿嶋の湊にいた春日の神は、そこから奈良の春日大社へ移ったという。これを見る限り、明らかに海の神の系統に属する神だ。 海を管轄するということは、大祓の祝詞にもいわれているように、文字通り「罪」や「穢れ」を水に乗せて洗い流したそれらが最後に行きつき、やがて消えてなくなる大いなる場所の「行き来」を管轄することでもある。 つまり、海というある種の地獄への入り口をつかさどっているということになるのだ。 そして、祭りという状況は、人が神を祀りあげてその正の側面を際立たせることで成立する。裏を返せば、その前こそ神々が持つ恐ろしい側面が際立っている時間なのだ。 人はいう。お盆の時に水に入るな、と。 それは、ある意味では死者が水に落としていった穢れにひかれてどこかへ連れ去られてしまうかもしれないからだともいわれている。 ゆえに、地獄の釜の蓋が開くと称するのである。 「間違いなく・・・蛭子ですね。」 「あの葦船に乗せて流されたイザナギ・イザナミの最初の子供ですか。」 「水底で眠っていると思われていました。海上は西方浄土信仰の広がりとともに補陀落渡海によって清められていますから、蛭子が出る余地はありません。神代の昔から続けられてきた魂鎮めは伊達ではありません。ですが、イザナミが死んだ要因が八雷神――つまり火と雷の神という火山の神の誕生であったことを考えれば――」 水底のさらに底には、火之神が横たわっている。 日本列島という名の龍だ。その身じろぎは、海底の「まつろわぬ神」を呼び覚ましてしまったのか。 「恐るべき事態かもしれません。」 私は言った。 「水底に沈み、長い時間をかけてハヤサスラヒメが清め、なくしてしまう罪や怨念は、この世で、少なくともこの日本で最も古い怨念の周囲に最終的には集まっているかもしれません。それこそ、あらゆるものが。そんなものを受けたままの蛭子は、本能に突き動かされて行動するでしょう。 まともに生まれられなかった怨念。地上から海上へ、海底へ放逐された恨み。 かといって蛭子自体には力はほとんどありません。となれば、とるべき手段はひとつ。 『生まれ直す』。こういうときに使われるのは古今東西の伝承でも、人の腹です。」 阿部さんと辻さんが顔を見合わせた。 そして、頷きあう。 「幻視がでました。」 辻さんは言った。私は頷く。 この神祇院以外にも、在野の幻視者や託宣を賜るものは意外に多い。 彼らは、そのうちの一人を得ているといわれていた。 事実、彼らの予言ともいうべき託宣や幻視の精度は高い。 「被害を受けたのは、伊豆大島差木地村の旧家 山村家の女性、山村千鶴子だと。確認をとったところ、彼女は妊娠している。恐ろしい勢いで『中身』は成長しているとのことだ。」 「山村千鶴子!?」 最悪だ。 私はその名に心当たりがあった。 山村千鶴子は、大正の御代にあってあの島から見出され、超能力(とされた)による透視実験とその後の新聞各社のバッシングにより犠牲になった女性だった。 この世には、唐突に異能を持って生まれる人間がいる。 千鶴子はその類だったが、いかんせん神祇院が介入するにはあの象牙の塔の住人たちは彼女を有名にしすぎていた。 神がかり的な何か、そういったものは、大抵は突然変異的な 何かで済むだろう。だが、それが穢れた神と接触したら? この世を生きる人間やすべてのものへの怨念を宿されたら? 恐ろしいのは、そういった素質のあるモノに、怨念が注入され生まれ出てしまうことだ。 どんなことが起きるのか、見当もつかない。 「これは・・・大事になりますね。」 「そうだな。」 辻さんは背筋を正した。 それまで黙っていた辰宮総長が立ちあがる。 「加藤君。今回の事案、対処は君があたってくれ。予想される『出産』時に蛭子・・・いや『海からきた怪物』が何をするのか分からん。調査と対処を行ってくれ。事態は緊急を要する。」 442. ひゅうが 2011/12/17(土) 06 19 10 【なかがき】――中長編板に投稿した方がよかったかも(汗 とりあえず、その1が 430-431 その2が 439-442 です。